実務者研修とは

実務者研修とは、それまでの複雑な介護資格制度を改めるために、2012年に新設された介護資格です。従来のホームヘルパー1級に該当する実務者研修は、介護福祉士になるためには必須の資格です。将来介護福祉士を目指したいという人は、まずは実務者研修を修了しておきましょう。受験資格を得る他にも、実務者研修では介護のより深いスキルを身につけることができます。

実務者研修で学べること

男女

介護に関する基本知識と実技のスキル

実務者研修では、介護の基本的な知識とスキルを身につけることができます。また、初心者向けの初任者研修とは異なり、さらにステップアップした上級者向けの知識やスキルも学べます。すでに介護職に就いているという方にとっても、今までの自分の業務内容を振り返るよい機会となるでしょう。

「たん吸引」と「経管栄養」実技スキル

通常、たん吸引や経管栄養といった措置は、医師や看護師といった医療関係者にしか認められていません。しかし、実務者研修を修了すれば、たん吸引と経管栄養が行えるようになります。実務者研修の講座では、知識だけでなく、実習でスキルを学ぶことができます。

サービス提供責任者としての役割

実務者研修の資格を取得すると、サービス提供責任者になることができます。サービス提供責任者として、ヘルパーさんに指示や指導を行ったり、訪問介護計画書の作成を行ったりと、実技で役立つスキルを学べます。実務者研修を修了すれば、ケアマネージャーのような役割も果たせるでしょう。

2012年にスタートした実務者研修とは?

介護車

実務者研修修了後の仕事内容

介護の上級スキルを身につけていることはもちろん、サービス提供責任者としての役割も果たせる実務者研修修了者は、様々な介護の現場で活躍できます。有料老人ホームや特別養護老人ホームといった施設、デイサービス、訪問介護サービス事業所など、就職先が豊富です。また、仕事内容も要介護者への直接的な介護から職員への指導、介護計画の考案まで、多岐に渡ります。

車椅子

実務者研修修了後の給与について

実務者研修を修了すると、無資格で就職した場合よりも、3万円ほど多く給与を受け取ることができます。介護福祉士ほどはもらえませんが、初任者研修に比べると1万円程度多く受け取れる計算になります。また、勤務年数が増えれば給与も増えます。勤続年数が10年を超えると、1年目の給与よりも10万円程度多く給与を受け取れるようになるでしょう。

短い期間で実務者研修を修了するために

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通学制と通信制ではどちらが早く修了できますか?

通学制のスクールで集中的に学んだ方が、早く実務者研修を修了できるでしょう。1日に短時間開講されるスクールよりも、長時間学べるスクールが理想的です。

資格を持っていると有利だというのは本当ですか?

初任者研修やホームヘルパーなどの資格を取得している場合は、実務者研修の科目が一部免除される可能性があります。通常は6ヶ月程度かかる資格取得期間が、最短2ヶ月程度まで短縮できます。